倒壊と紙吹雪

色々な人と話すことが多くなると、相手によって自然と自分の口調や仕草が変わったりする。八方美人をしているわけではなくて、私の場合むしろ逆。好意的な感情を抱く友人・知人に対してぎこちなくなったり、あまり好意的に思っていない相手にはなおさらムッとした表情をしてしまったりする。それでもうまく会話できる相手というのがいて、そうした人たちと話すのはとても楽しい。でも、一度うまく会話できた相手とずっとうまく会話できるかというと、そうではなくて、時間が経つとぎこちなく対応してしまうことがある。多分私が会話について重たく考えすぎなのだろうなとは思うのだけど、一人でいる時の自分をさらけ出している相手というのはいない。そうなるともう、人と話すことが多くなってしまうと、まるで多重人格のようになって、自分のコントロールがうまくできない。この二週間ぐらいは人付き合いの多さが祟って、会話の途中で電池が切れたように頭が動かなくなったりした。今は、握った手のひらから紙吹雪がはらりと散っていくイメージを思い浮かべている。私の思考停止はそんな感じだ。明確なサインはなく、はらりはらりと言葉が舞って、誰にも届かなくなる。いや、私の言葉を待っている人なんていないのだけど。

 

 


陽炎座

 

「あ」

 

 

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"The man with a movie camera"

 

 

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"Voyage to Cythera"